後悔

 先月下旬に親父が入院し,その日からたった 11 日でこの世を去った.
 細かいことは略すが,病名は胆のう癌だった.


 そのときのことで未だに整理が付かない部分があるので,ここに吐き出してみる.これは悲しみより,単なる我侭,エゴである.


 仕事で親の死に目に会えないというのは,ドラマの中だけのお涙頂戴だろうと思っていたのだが,これを実際に自分がやったということ.


 親父の入院から前日まで.

  • 年度末で仕事が忙しかった.
  • 病状が末期だと宣告され,そのとき以降はパニック状態だった.
  • 手続きなどに出かけて延べ二日の休暇を取った.
  • 親父が思いのほか元気な様子だったので,安心していた.家族の前では我慢してたのかもしれない.
  • 病状を悟られないようにと思って,毎日行かないようにしてた.毎日行けば良かった.
  • 仕事の遅れを取り戻す為と,その後に休みを取りやすくする為に,二日間残業を計画した.一日あたり二時間半で,納期前日に終わらせる計画.それ以上は事務所の利用時間に限界があった.
  • 残業一日目,ほぼ予定通り.時間外の面会は出来ないと思い込んでいたので,見舞いには行かず.相方と晩飯を食べ,今回の仕事が片付いたら暫くは親父の見舞いに行くことなど,現状と今後の予定を話してた.



 残業二日目.

  • 帰り予定時刻寸前に問題を発見して,お客さんに居残りを認めて貰った.今にして思えば,この問題は納期当日でも同僚が対処できるレベルだった.
  • 問題を調査・修正し始めたが,ミスを二つもやらかして二時間ほどロス.
  • その間に母親から連絡が何度もきたが,「何やってるの?!」と言うばかりで肝心なことを言わず,しかもこっちは気付いてない.
  • 夕方の電話で,親父が痛がっているので夜は睡眠薬を使うことになった…というのが,私がそのとき知っていた最新情報.それで私の訪問を待って起きているのだと勘違い.なんでこうも状況を推測する能力に欠けていたんだろう?
  • 何がなんだか解らないで,焦るわイライラするわで作業が空回りしてた.たぶん,考えたくないことを自分でブロックしてたんだろうな.
  • 結局,12分遅かった.



 あの時,落ち着いて仕事をすれば,問題の引き継ぎを残して帰れば,お客さんが帰りましょうと言ってくれれば,休まなければ,細かい仕事抜きにして今回の仕事を先に終わらせていれば…と尽きることはない.


 後悔役に立たず.諸行無常