ガンド撃ち
- 古代北欧の宗教と神話,フォルケ・ストレム著,菅原邦城訳,人文書院,1982.10
二ヶ月ほど前のとある excite のニュース(記事はすでに期限切れで存在しない)で…北欧の宗教の話があった.
アラバマ州のセントクレア刑務所で、オーディン派と呼ばれる北欧の多神教を信仰する受刑者トニー・リー・スミス(38)が、宗教行為として獄中で焚き火をしたいと申し出ていたが、刑務所はこれを却下した。
それで調べてみたら,上のような絶版本に行き着いたので,図書館で調べてみたら…昔,手に取ったけど難しそうだったので諦めた本だった.
それを借りてきて読んでみたらやはり辛かったんだけど,第一部"3.鉄器時代"や第二部"7.死の信仰と死の習慣"は興味深く,特に"8.呪法"が面白かった.
ノルウェーの民間信仰の中ではガンドは,病気や死をもたらす目的で魔術にたけた個人によって送り出される,魔法放射物と解されていた.人間や動物を“ガンド撃ちする”能力は,とりわけラップ人に帰せられた(「ラップの一撃,フィンの一撃」〔ラップ人の呪いが原因とされた急病〕).(後略) P.244
これは某ゲームに出てきた赤いヤツの得意技の説明やね.
女魔法使い (セイズコナ) やセイズ呪術について書かれた後,以下のような説明があった.
変身信仰と密接に関連しているのは,(略)「ゆうべ私はずっとあっちこっちに杖(ガンド)で走りまわり,(略) gandr という語は二重の意味を持つ.一つには「杖,棒」を意味する.その場合,これは変身できる者の旅道具として機能すると信じられた.(後略) P.243-244
魔女が箒で空飛ぶイメージはこの辺からだろうか?
妄想飛びすぎかねぇ.
そうそう,焚き火については記述は見つかりませんでした…