「馬と少年」 - ナルニア国ものがたり 5

 岩波少年文庫の新版を購入し,5巻まで読み進めてきて初めてまともな解説にあたった.この巻で解説を勤めているのは,小風さち氏(童話作家)で,本編に絡めて興味深い文章を書いてくださっている.

 1〜4までの解説は,初めての読者を無視した文章を書きなぐっており,書いた人物は本編を読まずに資料を書き写したのではないか,と疑いたくなるほど程度が低い.まるで単位の為にレポートを書いている大学生の文章のようだ.解説1ページ目からネタバレなので,いきなり楽しみが半減する.


 ところで,この「馬と少年」はそれまでの巻とは主人公の趣が違う.また,ナルニアをちょっと違った視点から見られるのでお奨めの一作である.個人的にはリーピチープの活躍が輝く「朝びらき丸 東の海へ」が一番好きだ.

 そうそう,来年には「ライオンと魔女」の映画*1が公開されますね.製作が色々な物語を改変してきたアレな会社なので,期待はしていません.予告編を見るとなんか出だしからして違ってるようだけど…原書では正しいのかなぁ.

 迎えの女性が到着したシーンで,

ピーター: Mrs. MacReady? (お迎えの方ですか?)
女  性: I'm afraid so. (歓迎していませんがね)

ってある.二人のやり取りとしては合点が行くが,ここの訳って「残念ながらそう(マクレディ)ではありません」じゃないのかなぁ.翻訳者まで期待したくないぞ(笑